言い換え帳 #4|きょうだいげんかで「どっちが悪いの!」が出そうなとき。声かけの言い換え5つ

子育て

きょうだいげんかが始まると、つい出てしまう言葉があります。
「どっちが悪いの!」「お兄ちゃんでしょ!」「いいかげんにして!」

言ったあとに、「また言っちゃった」と自分がつらくなる。そんな日はありませんか。

この記事では、けんかの場面で使える言い換えを5つ紹介します。
まず結論です。けんかの理由を裁こうとしなくて大丈夫です。危ないときは先に止める。それ以外は、見えたことと、それぞれの気持ちを短い言葉にする。それだけで十分です。

先に知っておきたいこと:「止める」か「見守る」かは、場面で変わります

きょうだいげんかの対応は、「止めない方がいい」「見守るのが大事」と言われることがあります。たとえば、ダ・ヴィンチWebが紹介している子育ての本では、親はレフェリーのように見守る、という考え方が書かれています。

一方で、海外の調査には、親が何も関わらない対応も、きょうだいの対立が多いことと関係していた、という結果があります。中国の幼稚園児の親1,368人へのアンケートです(2024年)。ただし、アンケートの関連を見たものです。「何もしないから対立が増えた」と決めることはできません。日本の家庭にそのまま当てはまるかも、分かっていません。

この調査では、子どもの気持ちを中心にした対応は、きょうだいの仲のよさと一緒に見られました。これも「そうすれば仲がよくなる」という約束ではありません。

つまり、正解は1つではなさそうです。この記事では、次の3つを組み合わせます。

  • 手が出る・物を投げるなど、けがをしそうなときは、先に止める。
  • どちらが悪いかは、決めない。
  • それぞれの気持ちを、短い言葉にする。

1.「やめなさい!」→「ストップ。いったん、はなれよう」

たたく、かむ、物を投げる。こういうときは、理由を聞く前に止めます。
「やめなさい」だけだと、何をやめればいいのかが伝わりにくいことがあります。「はなれよう」と、してほしい動きを言います。

使う場面: けがをしそうなとき。体を間に入れて、2人を少し離してから言います。

2.「どっちが悪いの!」→「何があったか、ひとりずつ聞くね」

「どっちが悪いの」と聞かれると、子どもは「相手が悪い」と言いたくなります。そして、どちらかが「自分が悪者にされた」と感じやすくなります。
先に決めるのは、悪者ではなく、話す順番です。

使う場面: 2人が同時に「だって!」と言い合っているとき。「まず、お兄ちゃんから聞くね。そのあと、妹の番ね」のように順番を言います。

3.「お兄ちゃんでしょ、ゆずりなさい」→「2人とも、使いたいんだね」

「お兄ちゃんでしょ」は、上の子だけにがまんを求める言葉になりやすいです。ゆずる側は、「自分の気持ちは後回しなんだ」と感じるかもしれません。
まず、2人とも同じものがほしいことを、そのまま言葉にします。

使う場面: おもちゃ、テレビのリモコン、お気に入りのコップなど、物の取り合いのとき。そのあとに、「どうしたら2人とも使えるかな」と聞いてみます。

4.「いいかげんにして!」→「けんかしてるの、見えてるよ。困ったら呼んでね」

けがの心配がなく、少し様子を見られるときの一言です。親が毎回入ると、親が毎回の審判になってしまいます。見ていることだけを伝えて、子どもたちに少し任せます。
「見守る」を、言葉にした形です。

使う場面: 言い合いが続いているけれど、手は出ていないとき。声が大きくなってきたら、2番の「ひとりずつ聞くね」に切りかえます。

5.「もうけんかしないで!」→「さっき、くやしかったね。話せてよかった」

けんかのあとに「もうしないで」と言っても、また起こるのがきょうだいです。
終わったあとは、気持ちを一言だけ言葉にします。「くやしかったね」「さみしかったね」で十分です。

使う場面: けんかが落ち着いて、2人とも少し静かになったとき。長い説教はしません。

使わない方がいい場面

ここまでの言い換えは、よくあるけんかを想定したものです。次のような場合は、言い換えより先に、2人を安全に離すことを優先してください。

  • けがをしている、またはしそう。
  • どちらかが、何度も一方的にやられている。

けんかのたびに強い暴力があるなど、家庭だけでは抱えきれないと感じたときは、地域の子育て相談窓口や小児科、園や学校の先生に相談してください。この記事は、診断や治療の代わりにはなりません。

今日の一手

  1. 5つの中から、「これなら言えそう」というものを1つだけ選ぶ。
  2. その一言を、スマホのメモか、冷蔵庫の紙に書いておく。
  3. 次にけんかが始まったら、その一言だけ使ってみる。うまくいかなくても大丈夫です。

どの言い換えも、けんかが減ると約束するものではありません。うまくいかない日があっても、親の言い方が悪かったということではありません。

言ってしまった日は

「どっちが悪いの」と言ってしまった日の夜は、言い換え帳 #2|「また怒っちゃった」の夜にも読んでみてください。自分を責めすぎないための言い換えをまとめています。

急ぐ朝のけんかや声かけには、言い換え帳 #3|「早くしなさい」を言いすぎた朝にも合います。

Threadsの「はじめ|心の保健室」では、毎日の小さな言い換えを短い言葉で届けています。よければこちらのアカウントものぞいてみてください。

参考にした資料:Tucker & Kazura(2013)「Parental Responses to School-aged Children’s Sibling Conflict」/Yue ほか(2024)「Parental strategies for handling sibling conflict and sibling relationships」/ダ・ヴィンチWeb(2022年3月4日)「きょうだいげんかは止めない!? 親はレフェリーの立場で見守ろう」。どれも、アンケートなどの関連を見た調査や、考え方の紹介です。

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