夜、ふと見るとリビングがおもちゃだらけ。
「片づけなさい!」と言ったのに、子どもは遊びの続きをしています。
言いたくて言っているわけではありません。でも、同じ言葉を何回も言うと、自分も疲れてしまいます。
この記事では、「片づけなさい」のかわりに使える言い換えを5つ紹介します。
全部やらなくて大丈夫です。今夜、1つだけ試してみてください。
「片づけなさい」が届きにくいのはなぜ?
ここからは、研究で証明されたことではなく、僕の整理です。
「片づけ」は、ひとことの中に、たくさんの作業が入っています。何を、どこへ、どの順番で、が見えにくい言葉です。大人には当たり前でも、小さい子には「どこから始めればいいの?」となりやすいと考えています。
保育の世界でも、片づけは難しい場面として知られています。愛知教育大学の研究(幼児教育研究 第14号)には、片づけは実習生や新任の保育者が指導で悩みやすく、現職の保育者の研究会でも繰り返し話題になる、と書かれています。子ども自身が「片づけよう」と動ける形が大切だ、という考えで事例を調べた研究です。幼稚園での観察をまとめたものなので、家庭でそのまま同じ結果になるとは言えません。
もう1つ、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)の3〜5歳向けの子育てのヒントには、「ダメ」と言うときは、かわりにしてほしい行動も伝えること、簡単なお手伝いをさせることが書かれています。片づけの声かけの効果を調べたものではありませんが、「してほしいことを具体的に伝える」考え方のヒントになります。
1.「片づけなさい!」→「ブロックを、青いかごに入れよう」
「片づけ」と言うかわりに、何を、どこに入れるかを1つだけ伝えます。
終わったら「ありがとう。次は絵本ね」と、次の1つを言います。
使う場面: 床におもちゃがたくさん出ていて、どこから手をつけていいか分からないときに。
2.「何回言ったら分かるの!」→「あと5分で、お片づけの時間だよ」
急に「やめなさい」と言われると、気持ちの切りかえがむずかしいものです。
先に予告しておくと、心の準備ができます。
使う場面: 遊びに夢中になっているときに。寝る前の片づけなら、15分くらい前に。
3.「全部出しっぱなしじゃない!」→「次のおもちゃは、これをしまってからね」
おもちゃが次々に出ると、片づけの量が増えます。
「しまってから次」という順番を、やさしく伝えます。
使う場面: おもちゃを次々に出しているときに。
4.「早く片づけて!」→「くるま、10個かごに入れられるかな。よーいどん」
「早く」は、どれくらい急げばいいのかが伝わりにくい言葉です。
数と合図を決めると、ゲームのように始められることがあります。
使う場面: やる気が出ないときに。うまくいかない日があっても大丈夫です。
5.「もう捨てるよ!」→「一緒にやるよ。先に絵本からいこう」
「捨てるよ」は、子どもが不安になることがあります。
おとなが一緒に手を動かして、最初の1つを決めてあげます。
使う場面: おとなも疲れていて、強い言葉が出そうなときに。
それでも片づかない日は
声かけを変えても、片づかない日はあります。それは、うまくいっていないわけではありません。疲れている日、眠い日は、子どもも大人も動きにくいものです。
僕は、声かけだけでがんばらずに、出ているおもちゃの数を減らす、かごを大きめにする、といった「しくみ」も助けになると考えています。こちらも、効果が証明されたものではなく、試してみる案です。
今夜の一手
- 5つの中から、いちばん使えそうなものを1つ選ぶ。
- その一言を、スマホのメモに書いておく。
- 今夜、1回だけ使ってみる。
どの言い換えも、子どもがすぐに片づけると約束するものではありません。言い方を変えようとしたこと自体が、一歩です。
「片づけなさい」と言ってしまった日は
言ってしまった日の夜は、言い換え帳 #2|「また怒っちゃった」の夜にも読んでみてください。自分を責めすぎないための言い換えをまとめています。
急ぐ朝の声かけは言い換え帳 #3、食事の声かけは言い換え帳 #5にあります。
Threads「はじめ|心の保健室」では、毎日の小さな「できた」や言い換えを、短い言葉で届けています。

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