子どもが泣いている。
こちらも急いでいて、つい「泣かないの!」と言ってしまった。
言ったあとで、「ほかの言い方があったかも」と思う。そんな夜は、きっと少なくありません。
この記事では、泣いている子に「泣かないの」のかわりに使える言い換えを5つ紹介します。
泣き止ませる言葉ではなく、気持ちをわかったよと伝える言葉です。全部使わなくて大丈夫。明日、1つだけ試してみてください。
1.「泣かないの!」→「かなしかったね」
「泣かないの」は、泣いていることを止める言葉です。
かわりに、気持ちに名前をつけます。「かなしかったね」「いやだったね」のように、短くて大丈夫です。
子どもはまだ、自分の気持ちを言葉にするのが上手ではありません。気持ちに名前がつくと、「わかってもらえた」と感じやすくなります。
泣いている途中にたくさん話すより、僕は一言で十分だと考えています。これは僕の考えで、研究で確かめた話ではありません。
使う場面: 泣き始めた、その最初の一言に。
2.「そんなことで泣かないの!」→「それが、いやだったんだね」
大人から見ると小さなことでも、その子にとっては大きなことがあります。
「そんなこと」と言う前に、何がいやだったのかを、そのまま言葉にして返します。
理由を全部当てなくても大丈夫です。「それが、いやだったんだね」と返すだけで、気持ちは受け取ったよ、と伝わります。
使う場面: くつ下の色や、コップの向きなど、大人には小さく見えることで泣いたときに。
3.「どうして泣いてるの!」→「ここにいるよ。話せるようになったら教えてね」
泣いている最中に理由をたずねられても、答えられない子は多いものです。
「どうして?」が続くと、責められているように聞こえることもあります。
先に「そばにいるよ」を伝えます。話すのは、落ち着いてからで間に合います。
使う場面: 理由を聞きたいけれど、本人が話せそうにないときに。
4.「泣いてもダメなものはダメ!」→「くやしいね。でも今日は、おしまいだよ」
泣いている気持ちを認めることと、決めたことを変えることは、別のことです。
気持ちは受け止めて、決めたことはそのままにします。
アメリカ小児科学会の一般向けの回答には、「怒るのはいい。でも、叩くのはだめ」のように、気持ちと行動を分ける考え方が出ています。アイルランドの保健サービスも、気持ちを認めつつ、泣いたからと決めたことを変えないよう勧めています。
使う場面: おもちゃやテレビを「おしまい」にして、泣かれたときに。
5.「いつまで泣いてるの!」→「落ち着くまで、そばで待ってるね」
いつ終わるか分からない泣き声が続くと、大人のほうも苦しくなります。
そんなときは、子どもに「泣き止んで」と求める前に、大人が先に深呼吸をします。
上の2つの公的機関は、どちらも「まず親が落ち着く」ことを勧めています。少し離れて息を整えてから、戻ってきて大丈夫です。
使う場面: 泣き声が長く続いて、こちらの気持ちが限界に近いときに。
今日の一手:寝る前に、1つだけメモする
- 5つの中から、いちばん言えそうなものを1つ選ぶ。
- その一言を、スマホのメモに書いておく。
- 今度子どもが泣いたとき、1回だけ使ってみる。
言い換えても、泣き止まない日があります
どの言い換えも、子どもがすぐ泣き止むと約束するものではありません。言っても泣き続ける日は、ふつうにあります。それでも、気持ちを受け止めようとしたことは、ちゃんと残ります。
もし、泣き方がいつもと違う、泣いている時間がとても長い、ほかにも心配なことがある、というときは、かかりつけの小児科や、市区町村の保健センターに相談してください。この記事は診断や治療の代わりにはなりません。
この記事に書いたAAP(アメリカ小児科学会)とHSE(アイルランド保健サービス)の助言は、海外の一般向けの案内です。日本の子ども全員に当てはまるとは言えません。目の前のお子さんの様子を、いちばんの手がかりにしてください。
言ってしまった日の夜は
「泣かないの」と言ってしまった日の夜は、言い換え帳 #2|「また怒っちゃった」の夜にも読んでみてください。自分を責めすぎないための言い換えをまとめています。
夜の寝る前の声かけは、言い換え帳 #7|「早く寝なさい」が出そうな夜にに書きました。
Threadsの「はじめ|心の保健室」では、毎日の小さな言い換えを、短い言葉で届けています。


コメント